涌蓋山ナイトハイク
概要
日程2021年9月25日(土)〜26日(日)
参加者5名: O城、K井、M田、Y本、M原(体験)
コースひぜん湯登山口 〜 涌蓋山 〜 みそこぶし山 〜 一目山登山口
行程
2021年9月25日(土)
21:45ひぜん湯登山口集合
22:00スタート
翌0:30涌蓋山 山頂着
1:15       発
2:30みそこぶし山 着
2:55       発
4:00一目山登山口着
記録

涌蓋山は去年6月の例山行以来だから、さほど久しい感覚は無いが、ひぜん湯登山口は約30年ぶり

熊本からJRで阿蘇宮地、そこからバスで長者原、乗り換えて筋湯。登山口までの移動で半日以上かかった。当時のひぜん湯登山口はちょっと変わっていて、田中さんという方の自宅、二つほどに分かれた建屋の間を通り抜けて行くものだった。その幅半間ほどで、人の家の軒下をくぐって進むような感覚だった。

田中さんは「ひぜんや」という民宿をしていて、庭先はテントサイトになっており、当日はそこに泊まって翌日の登山に備えた。

その後2005年の水害でひぜん湯を含む筋湯エリアに大きな被害が出たが、その際にこのあたりも土砂に流されてしまったようだ

現在の登山口は、車も(どうにか)通る橋がかかり、渡った先は広いスペースと登山口看板が整っている。深夜にヘッドライトに照らし、当時との様子の変化に驚くばかりで、ひょっとして前回は別の場所から登ったのかと疑うほどだった。

さて、登山口も久しぶりなら、ナイトハイクも久しぶり。

下山が遅くなったとか、昼夜を継いでと言うではなく、夜に入り、その夜に降りるという、「山の眠るうちにそっと登ってそっと降りてくる」を体現する行程である。 月があるとは言っても闇夜の山、ひとりではなかなか足が向かないが、今回計5名の参加を得て出発できたのは本当に有り難い。

ナイトハイクでよくあるのがこんなこと。

ルートを外す
およそヘッドランプの照らす範囲しか見えないので、つい獣道に入ってしまったり、さも歩きやすそうな方へ進んでしまう。
今回も出発後すぐに出会った林道に誘われて道を外した。
地図や、今時だからスマホアプリのルートと現在地をGPSで確認するようにしたい。
サイズをつかめない
暗い中では山、丘、林、森、いろいろなものがシルエットで見えるが、距離も大きさも分からないから、大きな丘かと思えば近くの小さな丘であったり、遠くの山が近くに見えてしまうこともある。地形とルートをしっかり把握していれば、これらはむしろ楽しいと思うこともある。
足が濡れる
下草に夜露がかかって、足を濡らす。 無雪期の晴れた日帰り山行にスパッツはなかなか思い当たらない。
今回ももちろん持って行っていない。おかげで足下がずいぶんと涼しかった。

登山口から1時間ほど登ると平地に出て、景色が開ける。 登り始めは空の半分ほどの雲があり、月も半分隠れるほどだったが、この頃には天気予報に反して晴れが勝つようになってきた。
メンバー的には晴れるはずは無いのだが。
足下の良い場所ならヘッドランプがなくても歩ける程度。

みそこぶし山からの道が合流し、涌蓋山の登りにかかる。 
女岳あたりからは山頂に光が見えた。 北極星にしては明るいと思ったら、山頂の先客だった。

山頂に着くと、小さなテントが3つ4つ。 0時過ぎだが、そもそも夜に登ってきたのだろう、まだみんな起きていた。

せっかくのナイトハイク。夜景を撮影。 シャッターを30秒開けておくと、肉眼では見えないこんな景色が見える

写真はクリックすると拡大します

久住山方面。星空と山景が混在する。
右下には八丁原の地熱発電所の灯り、その下に筋湯温泉の橙色の光。
右手奥には祖母山・傾山が見える。
千町無田、庄内、大分市方面。
大分市の灯りが強いのが分かる。
阿蘇方面
左端に祖母山、その右下は猟師岳とスキー場、阿蘇五岳と阿蘇の街灯りがよく見える。
右端遠くは熊本市の灯り。
山頂の様子。
明るい星は木星。左下の遠景は熊本市の灯りと、鞍岳・ツームシ山。

山頂を後にして、みそこぶし山へ向かう。 昼間は広々とした草原だが、夜はルートを外しやすいのではと心配していたが、踏み跡が非常にはっきりしていたので杞憂に終わった。

草原の下草に足を濡らしつつ進み、緩やかに登るとみそこぶし山に着く。 山頂から一目山を探すが、山影は山影の中に飲まれて見分けがつかない。
この先は平地歩きかと思いきや、小さなアップダウンが続き、夜中を通して歩いた疲労を感じ始める。傾斜がなくなり、景色が開けると一目山の登り口に出合う。

暗い中の一目山山頂は諦めて林道を進み、デポしていた車に到着。 ひぜん湯までの舗装道を歩かずに済ませた。

過去、会ではナイトハイクを何度かやってきたが、毎回同じように「一人だと怖くてできないけど」と言う言葉を耳にした。

昼に歩く道とは違うものを見てみたいのは共通の思いであって、暗闇の怖さを越えて実行するかどうかのところにひとつの壁があるのだと思う。
またナイトハイクを企画したいと思った。